試合開始から39分56.1秒
ゲームが止まったその時
点差は僅か1点であった。
この大接戦が
京都のナンバー1チームを決めるゲームで起こる。
バスケットが人々を魅了する理由の一つである。
残り 3.9秒
紫野68 - 69京都精華学園
フリースローは
1点リードの京都精華学園だった。
シューターは#14
静寂がコートを包む。
「 シュパッ!! 」
乾いた音が静寂を破る。
刹那、再び静寂を取り戻した後、
「 ダム 」
ボールがコートにつくと同時に
大歓声が会場を包む。
狂喜乱舞の精華学園ベンチ。
腕を組み、表情はそのまま
ぐっと選手を見つめる監督。
68 - 70
2投目。
「 シュパッ!! 」
再び、乾いた音が体育館に響く。
堰を切ったような大歓声に包まれる中、
監督がさっと手を前に出す。
(スローインのボームマンにプレッシャーをかけ
ロングパスを投げさせない)
わざわざ言葉では言わない。
一つのジェスチャーで意思疎通が行われた。
タイムアウトを使い切って言いた紫野には
ラストシュートに行くだけの時間は残っていなかった。
紫野 68 - 71 京都精華学園
京都精華学園の3連覇で幕を閉じた。